2018年(平成30年)公正証書遺言による不動産寄付
~マンションの売却想定価格は3500万円と見積もられた~
東京都江東区にお住まいのSさん(女性・77歳・夫は80歳で3年前に逝去)は、2人のお子様たちも自立し、ご自身も夫の残した遺産と年金により経済的にも不自由がない状態にあります。
Sさんは自分が喜寿を迎えたことを契機に、「終活」を始めました。そこで司法書士に相談して、自分の亡きあとの財産の処分について遺言を作成することにしました。死後の財産の処分を考える中で、自分が住んでいるマンションを活用して、死後に社会貢献できないだろうかという希望を持ちました。それを司法書士に相談したところ、公益財団法人パブリックリソース財団の「遺言・相続・不動産社会貢献相談センター」の存在を紹介され、司法書士とともに相談に訪れました。
何度かの相談の結果、自分がかつて教員として障がい児の支援学級を受け持っていた経験から、障がいのある子どもたちを支援したいという「思い」「志」に気づきました。
そこで、自分の遺産の一部であるマンションを活用して、障がいのある子どもへの支援を行っているNPOに対して助成をするように公益財団法人パブリックリソース財団に「遺贈」することとして、その旨を含む公正証書遺言を作成することとしました。
「遺言・相続・不動産社会貢献相談センター」の相談員である株式会社パブリック不動産では、協力関係にある専門機関とも連携して、当該マンションの売却想定価格を調査したところ、およそ3500万円との査定結果が得られました。
今後、しかるべき時には、株式会社パブリック不動産が適正な価格にて当該マンションの売却を仲介し、税制面でも最も有利な形で、寄付者Sさんの「思い」「志」を活かせるようにパブリックリソース財団と連携していく予定です。
なお、パブリックリソース財団は、不動産等の現物資産を寄付した場合に寄付者にかかる可能性のある「みなし譲渡所得」課税の非課税特例が適用される公益法人であり(租税特別措置法第40条)、かつその特例を受ける手続きに有用な寄付の受け皿として法定の基金を設置しているため(租税特別措置法施行令第25条)、不動産の形で(換金しないで)直接寄付された場合でも、Sさんの相続人が上の課税を受けることがないように特例の申請手続きのお手伝いに万全を期していきます。